あるとき、世界に空間がぽっかりと口を開けた。
この空間を、カオスと呼ぶ。
カオスと同時期、エロス(性愛)、タルタロス(暗黒界・奈落)、
そしてすべてのものたちの母、ガイア(大地)が生まれた。
次いでカオスから夜と幽冥、夜と幽冥から澄明、昼日が生まれた。
ガイアは独りでポントス(海)、山々、そしてウラノス(天)の息子たちを生んだ。
彼女はその中のウラノスと交わり、ティタン族と呼ばれる多くの神を産んでいった。
オケアノス、テミス、ムネモシュネ、レア、コイオス、ポイベ、テテュス・・・そしてクロノス。
それから、目が一つしかない三人のキュクロプスたち、
五十の頭と五十対の腕をもつヘカトンケイルを産んだ。
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